賃料交渉をされたらどうする?
賃料などの契約条件は募集図面に記載されたとおりですが、時々「もう少しなんとかならないか」と言われることがあります。
そんなとき、どのようにされていますでしょうか。
なんとか返事をしなければならない気持ちになりますが、ここは一度落ち着きましょう。
どの段階で検討するか
管理会社や家主様から直接募集を依頼された仲介業者は、募集図面を作成する段階で募集条件について家主様と打ち合わせの上、決定し、情報を公開しています。
そして情報がインターネット等で広く公開され入居者募集開始となります。
その後は「物件へのお問い合わせ」「入居希望者からの申込み」「審査」「契約」「引き渡し」という流れになります。
では条件交渉はいつ検討するべきなのでしょうか。
正解は「入居申込書を受け取った後」
まず、結論から申し上げると「お問い合わせ」の段階で検討すべきではありません。
「空室なのか」「入居可能時期は」「見学したい」などのお問い合わせがお部屋探しをしているお客様から入る募集段階では、「条件交渉をしたい」「値下げできますか」などのお問い合わせも入ります。
このお問い合わせを受けて、貸主である家主様に「条件交渉できますか?」とたずねる業者はいないと思います(そう思いたいです)。
お問い合わせをしてきたお客様の申込み意思がハッキリしないこの段階では交渉になりません。これは交渉ではなく単なる様子探りです。
ですので、単なるお問い合わせのときに条件について聞かれた際は
「まずは申込書を下さい。」
でOKです。
交渉は契約が前提
ではなぜ「申込書を受け取った後」で良いのでしょうか。
それは交渉が成立したら契約するという前提があるからです。
(契約する前提ということは同時に入居者審査も並行する必要があるため、入居申込書や添付書類は必須となります。)
例えば募集賃料が「10万円」のときに「5千円」の値引き交渉がなされたとします。
このとき入居希望者は賃料が「9万5千円」で交渉が成立したら契約するという明確な意思が必要です。
最終的に契約するか否かは法律上自由ですし、何らかの突発的な事情で契約に至らないこともあるでしょう。
しかし、本来は信頼関係や信義則の中で法律行為として契約を行うわけですから、交渉だけして「気分的にやっぱり止めます」というのはいかがなものかと思います。
逆に言えば、貸主側も交渉に応じたのであれば、契約直前になって「やっぱり…」というのはよろしくないということになります。
なぜ条件交渉になったのかを考える
最後に、交渉が入ったときは「なぜ交渉が入ったのか」をしっかり熟考する必要があるでしょう。
周辺相場より割高というのが理由なのであれば、周辺相場の情報を募集依頼している不動産業者に提示してもらっても良いかもしれません。
その他の理由であれば将来に渡って不安要素が無いのか確認する必要があると思います。
例えば「引っ越し理由」なども重要な項目ですので、できれば選択肢を選ぶ形式のものではなく、自由記載で記入してもらうのが良いかと思いまよ。
by 大丸商事 長谷川
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