選択肢が増えてきている疾病保障住宅ローン、内容をしっかり確認
上がらない住宅ローン金利、競争は保障へ拡大
(2016年11月5日 日本経済新聞 20面)
住宅ローンを借りる際は団体信用生命保険(団信)に加入することが前提になる場合が多いです。
団体信用生命保険は、住宅ローンの返済中に債務者(借主)本人が亡くなれば、残ったローンの金額が払える程度の保険金がおりて、ローンの完済ができる仕組みとなっています。
しかし、近年は医療技術の進歩も相まって、何らかの疾病等を負っても、回復する事が珍しくありません。
それでも、病気などになり、療養をしなければならなくなった場合、収入が途絶えてしまうことになります。
収入が途絶えてしまえば、残るのは支出だけということに・・・。
療養費に生活費・住宅ローンなどの支出に貯蓄を切り崩すことになります。
でも、貯金は段々と減ってきてしまうので、最終的には自宅の売却などを考えることとなります。
|住宅ローンの疾病保障付帯にはコストがかかる
上記のように、ガンなどの疾病を抱えた際に、住宅ローンの返済負担が軽減され、自宅を維持できるのであれば、これに越したことはありません。
しかし、疾病保障を付帯するには金利が上乗せされることを忘れてはいけません。
多くの商品では年に約0.3%程度が住宅ローン金利に上乗せされます。
また、中途解約ができない商品も多く存在するので、注意が必要です。
仮に3000万円を金利年1.5%で25年間のローンを組んだ場合、疾病保障を付帯して0.3%の金利上乗せすると、25年間で約128万2300円のコストが上乗せされることになります。
|住宅ローンに疾病保障を付帯させる必要性
すでに多額の就業不能保険に加入していたり、重病になった場合は売却してしまっても良いと考えている人は、住宅ローンの疾病保障に付帯させる必要性は低いかもしれません。
住宅ローンの疾病保障と一般的ながん保険や医療保険の商品とどちらが良いのでしょうか。
住宅ローンに付帯させる疾病保障と一般的な保険商品とでは目的が異なります。
万が一のときに何を守りたいかで選択が変わるでしょう。
基本的に、住宅ローンの疾病保障は病気になっても住宅ローンを払い続け、マイホームを守るためのものです。
一方、一般的な医療保険は医療費や生活費を確保するためのものです。
例えば、
1.共働き夫婦で、医療費や生活費は何とかなるので、マイホームを維持したい
→ 住宅ローン付帯の疾病保障
2.住む場所は実家などに頼れば何とかなるので、医療費や生活費に重きを置きたい
→ 一般的な保険商品
よって、それぞれの目的に応じてより考えや状況に合ったものを選択する必要があります。
by 大丸商事 長谷川浩一
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