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2017年04月27日
コラム

【事例】貸地の解決法、借地人が喜ぶ地主による買い取り

貸地の解決事例のご紹介

 

 

地主さんにとって貸地は悩みのタネとなっていることが珍しくありません。

月極駐車場であれば、立ち退きも比較的容易ですが、借地権となってしまうと立ち退きは容易ではありません。

貸地の問題点としては「収益性が低い」「流動性が低い」「管理が大変」などが挙げられます。

 

|貸地の解決に用いられる手法

貸地としての状態を脱却するための手法はいくつかありますが、思いつくものを列挙してみました。

1.借地人に底地を買い取ってもらう方法

2.地主が借地権を買い戻す方法

3.底地と借地権を共同で売却する方法

4.底地と借地権を等価交換する方法

5.貸地を底地買取業者に買い取って貰う方法

 

見てみると、土地の所有権を手放す方法が多いでしょうか。

これが、土地を一度貸すと戻ってこないと言われる所以かもしれません。

また、このような手法があっても、建物所有者(借地人)に協力をしてもらう場合もあるので、円満な解決に至らないケースも見受けられます。

 

 

|今回ご紹介する事例は上記の「2」に近い

ご紹介する事例は上記の「1~5」の中で言うと、「2」の【地主が借地権を買い戻す方法】に近いものです。

「地主が借地権を買い戻す」というと、借地人が上物(建物)を取り壊し、更地返還を思い浮かべる人が多いでしょう。

場合によっては、建物も地主が買い取って、その建物の処遇については地主任せになることもあるかもしれません。

いずれにせよ、建物に住んでいた人は、そこからの立ち退きをしなければならないケースが多いでしょう。

 

 

|借地契約の更新時に相談を受けた

今回の事例における建物は、今どきの言葉で表すと「賃貸併用住宅」です。建物の築年数は一応新耐震基準でした。

そして、借地人は単身の高齢者です。

 

ちょうど借地契約の更新時期になりました。土地の賃貸借契約書に記載内容に従って、地主さんが更新のお知らせをしましたが、更新料などで合意に至らず、時間が過ぎていきました。

 

契約書に記載してある金額を見ても、高額どころか割安でしたが、借地人はお金の管理が得意でなかったようで、手持ちの資金はほとんどありませんでした。

賃貸併用住宅なので、入居者の保証金が百万単位で残っていなければならないのですが、それすら無い状況です。

 

 

|地主さんは腹を決めた

この土地のある場所は、駅からも遠くなく、土地評価はしっかりとした金額となっていました。

地主さんも鑑定士を使い、抜かりなく土地賃貸借の更新を行おうとしていたのですが、なにせ借地人に資力がないとなってはどうにもなりません。

そこで、地主さんは借地権の買い取りを借地人に提案しました。

土地評価もしっかりした金額なので、地主さんにとっても買い取るには覚悟が必要でした。

 

地主の借地権買い取りと、借地人の立ち退きはセットになることが多いので、借地人はこのような提案をされはしないかと不安に思っていたそうです。

 

しかし、地主さんは「借地人は退去しなくても良い」、さらに「買い取り後の家賃もいらない」と言ってくれました。

 

 

|なぜこの様な提案ができたのか

まず、地主さんには心がありました。

というのも、借地人は単身の高齢者で、住環境の変化は負担が大きいと考えました。

また、当時抱えていた借地人の金銭的負担も一気に解消できる可能性がありました。

当時の状況では、建物の修繕もままならなかったのですから。

 

それから、決定的だったのは「賃貸併用住宅」だったことです。

それなりの資金を投じても、買い取り後は賃料収入が得られることになります。

このことにより、借地人からの賃料を免除しても成り立つと考えました。

 

最後は、土地が戻ってくることです。

地主さんにとって、所有権はあれど活用できない状態から脱却できるのです。

 

 

|借地人も満足した借地権買い取り

地主さんによる借地権の買い取りによって、しっかりとした一時金が借地人に入りました。

また、固定資産を現金化したことで、地代や固定資産税を払う必要がなくなり、今は介護サービスなどを受けることができるようになっていました。

 

この借地人は今も住環境を変えることなく、充実した日々を過ごしているように見えます。

 

 

|相手の事情を受け入れると妥協点が見えてくる

今回の事例は特殊な事例かもしれません。

しかし、地主さん、借地人双方が相手に歩み寄ったからこそ解決できた貸地の解決事例です。

冷静に状況を見てみると、思いがけず「それいいじゃない!」といった解決法が見つかると思います。

 

 

by 大丸商事 長谷川浩一

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