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2017年06月08日
コラム

相続税のタワマン節税はまだ有効

メディアなどの報道にもありましたが、平成29年度の税制改正において、タワーマンション、いわゆる「タワマン」に関する課税の見直しがなされました。

一般的にマンションの市場価格(取引価格)は高層階になるほど高額になります。しかし、固定資産税や不動産取得税はこの市場原理が反映されていませんでした。

そこで、平成29年度の税制改正において高層階の低層階の市場価格(取引価格)の差を反映させるために見直しが行われました。

 

これまでの税制はある意味において公平だった

まず、税制におけるタワーマンションとは何か。

財務省のホームページによると、高さが60mを超える建築物(建築基準法令上の「超高層建築物」)のうち、複数の階に住戸が所在しているものと記載されています。

この「高さが60mを超える建築物」は階数でいうと約20階建て以上のマンションになります。

 

これまでの税制における固定資産税や都市計画税は、マンション1棟全体の税額を各戸の専有面積で按分した額となっていて、高層階か低層階かにかかわらず、床面積が同じであれば、同じ額の固定資産税が課税されていました。

 

つまり、最上階で億単位の住戸でも1階の数千万の住戸でも広さが同じであれば同じ税額でした。

 

公平に感じるか、不公平に感じるかは人によって様々だとは思います。

しかし、目に見える数字のみを算定の基準にしているという意味では、ある意味において公平であり、不公平でもあります。

 

今後はタワマンの市場価格の差がある程度反映される

まず、この改正は平成30年度から新たに課税されるタワーマンションについて適用されます。

つまり、既存の建物には適用がありません。

そして、建物1棟全体の税額は変更がなく、あくまでも建物内住戸に対する按分の方法に改正がなされています。

また、店舗等の非居住部分については、高層階になるにつれて市場価格が上昇する傾向がないので、改正の対象になっていません。

さらに、区分所有者全員の申し出があった場合には、その申し出た割合での按分が可能となります。

 

以上のことを踏まえ、改正後は1階を100とし、階が1階増すごとに39分の10を加えた補正率で調整した割合で按分することになります。

これにより、税額は高層階ほど大きく、低層階ほど小さくなります。

 

例えば、50階建てのタワーマンションの場合「最上階は5.9%増」、「1階は5.9%減」となります。

1階と最上階では1割以上も税額の差が出てくることになります。

 

相続税評価額は変更なし

タワーマンションの相続税評価額は取得価格に比べ30%近く減額になることも少なくありません。

この価値の差を利用した相続税対策が話題となっています。

しかし、この税対策が行き過ぎた節税という意見も出始めています。

 

今回の税制改正では相続税部分においては改正がなされませんでしたが、今後本格的に検討がなされてくるものと思われます。

その際には、今回の税制改正と同様な考え方が適用されるかもしれませんね。

 

by 大丸商事 長谷川浩一

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