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2019年05月14日
コラム

マンション・アパートの騒音問題

騒音系のトラブルは対処が難しいです。

特に、通常使用に伴う音や、入居者の配慮欠如による音は注意の仕方にも工夫が必要となります。

なぜならば、発生源である本人に騒音を発生させている自覚が無いためです。

また、通常使用や配慮に欠ける事による騒音は、発生源の特定にも苦慮することが多く収束させるまでに時間を要するトラブルのひとつです。

 

まずは、音の発生日時の記録をつけてもらう

とある入居者様から、

「上階の音がうるさくて眠れない」

と連絡が入ったのが全ての始まりでした。

 

そこで、音の「内容」「時間」「頻度」などを聞き取りしました。

騒音の内容はどちらかというと、生活騒音になる類の音であることがわかりましたので、上階の入居者の行動と照らし合わせるため、音がした「日時・音の内容」の記録をつけてもらうことにしました。

 

同時に全体への注意喚起として

「意図しない場合でも隣戸などへ生活騒音となる場合がある」

といった内容の案内を配布しました。

 

しかし、数週間後もその入居者様による騒音被害の訴えがありました。

 

その入居者様が言うには

「注意喚起後も頻繁に天井から音がする。上階の入居者に注意をして欲しい。」

とのことでした。

 

上階の入居者の動きと照らし合わせるため、記録を見せて欲しいとお願いをしたところ、記録はつけていないとのことでした。

 

音は断続的にしてくると言うことなので、

「それでは、可能であればスマートフォンなどで音を録音してください。」

とお願いをしたところ、数日後に録音データをメールでいただくことができました。

 

データでもらうことによって、記録された日時がハッキリとわかるだけでなく、実際の音が共有できる点は良いことだと思います。

 

音は上階からとは限らない

天井から聞こえてくる音であれば、通常は上階が発生源だと思うのが普通です。

ですので、今回騒音を訴え出た入居者様も上階からの音であると盛んに訴えていました。

 

それとなく上階の入居者様にも騒音の件をお伝えした所、とても配慮をいただける入居者様で、すぐに防音マットや防音タイルを自費で購入していただきました。

さらには、動線だけでなく、ほぼ敷き込む状態に近い形で対処をしてくださいました。

 

しかし、騒音の訴えは相変わらずの状態です。

建物の構造などによっては階下や隣戸または斜め下など、果ては全く接していない思いがけないお部屋で発生した音がお部屋の中に伝わってくることもあります。

 

しばらくしたある日のこと、やはり騒音がしたと録音データをいただきましたが、その騒音に該当する日時には、上階の入居者様は旅行に出かけていて、数日間不在でした。

この騒音を訴え出た入居者様は「絶対」が付くぐらいに上階の入居者だと決めてかかっていたので、少し驚かれた様子でした。

 

そうです、天井から音がしても上階からの騒音とは限らないのです。

 

生活騒音や配慮不足による騒音は発生源特定が困難

現在もこの騒音は止んではいないようです。

共同住宅である以上、ある程度の生活騒音は止むを得ない部分があります。

これは賃貸アパート・マンションだからということではありません。

鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートなどで堅牢にし、上下階の境であるスラブ厚を比較的厚くしてある分譲マンションでさえ、ある程度の音は響くのです。

また、極端な事をいうと、戸建でも住宅街に立地していれば近隣住戸のシャッター開閉時の「ガシャン!」という音や、雨戸を開け閉めする際の「ドタン!」という音、挙句には飼い犬の鳴き声や布団を叩く音など、結構頻繁に騒音と呼べるものが聞こえてきます。

 

ただ、ここで言いたいのは単純に「我慢してください」ということではなく、「発生源を特定することは困難である」ということです。

 

特に「宴会・酒盛り」や「設備の不具合」などが原因の騒音は発生源の特定がしやすく、対応が早くできることが多いです。

しかし、「通常の生活」や「入居者の配慮不足」による騒音は発生源を特定することに苦労する場合が多いです。

なにせ、音を出している本人に音を出している自覚がないので、後から

「騒音発生時に何をしていましたか?」

と聞いても、

「普通に部屋にいました。」や「いつも通りに過ごしていました。」

ぐらいの回答しか得られない場合が多いからです。

これは、かなりプライベートな部分をお尋ねすることなので、答える側も厚めのオブラートに包んだ回答となりがちだからだと思います。

しかも、音を出していてたとしても、発生場所ではそこまで大きな音ではない場合もあります。

壁等を伝わっていく中で音質が変化して耳障りな音に変わっていることもあるようです。

 

騒音源の特定には労力が必要です。

もしくは、調査会社に調査依頼をしてみるのもひとつの方法かもしれません。

 

受忍限度の問題もある

音の感じ方は人それぞれです。

なので、同じ音でもうるさく感じる人と、そうでない人がいます。

また、一度気になるとトコトン気になる人もいます。

一度気になると、そこまで大きな音でなくても耳につき、ストレスを感じるようになる場合もあります。

 

受忍限度を超える騒音とは「耐え難い騒音」と言い換えることができると思います。

騒音に関して、条例で基準値を設けている自治体もあります。

これは、db(デシベル)という音の強さを表す単位を用いて、時間と場所で基準値をもうけています。

 

仮に騒音を訴え出たとしても、数値化された受忍限度を超えていなければ、一般的には我慢をする範囲であると言えるかもしれません。

 

この受忍限度を超過した音であるかどうかを判断するには、音の測定が必要となります。

騒音計の貸出を行なっている市役所などの自治体もありますが、使用目的によっては貸出が受けられない場合もあるので、担当窓口に確認をしてください。

 

by 大丸商事 長谷川

 

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