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2016年09月24日
コラム

賃貸住宅のソフト面の管理の本質は一括借上げ(サブリース)も管理委託も同じである

賃貸住宅の管理はハード面だけではありません

 

管理会社によって入居者の質は大きく変わります。

先日、立場の違うお客様がそれぞれご来店されました。

その時のお話を少し紹介させていただきます。

 

 

 

|事例1

 

物件を探しにお客さがご来店されました。

とても深刻な様子で、お話を詳しく伺いをしました。

現在お住まいのお部屋そのものはとても気に入っていて、可能であれば引越したくないご様子。

 

現在のお部屋に入居ときは、地元の不動産会社が募集をしていて、契約したそうです。

そのお部屋に入居するときに行った不動産会社は、地元で長年営業している老舗の管理会社でした。

担当者も信頼できそうだし、物件の管理も行き届いていて、見学時にたまたま会った入居者も感じがよく、とても気に入り入居をしたそうです。

 

ところが、最近、その建物が売却となり、オーナーと管理会社の変更があったそうです。

売却後の管理会社は都内にある不動産会社で、その建物の近くに支店等はなく、建物と管理会社の距離はおおよそ30kmあります。

 

このような出来事があった後、入居年数の長い入居者が次々に退去したそうです。

そして、新たな入居者は手首までキレイな模様のある方だったそうです。附属の駐車場には黒塗りの外国車が停まり、前面の路上にも同じような車が集まることが度々あるそうです。

 

このお客様が気がついたときには、物件のメンテナンスもなされなくなり、環境が悪化してしまっていました。

 

私どもの会社には、このような理由からお引っ越しをしたいと物件を探しにいらしゃっいました。

 

 

 

|事例2

 

とある地主様が、サブリース契約(一括借上げ)を前提としてアパートを建築しました。

建築した場所はその地主様のご自宅のすぐ隣でした。

物件は駅から徒歩10分程度で、立地条件や周辺環境は比較的良いところです。

 

そして、完成後ほどなくして満室状態となり、地主様にも建物の賃料収入が入るようになってきました。

 

ところが、しばらくすると、ゴミ置場のボックスには常に回収されないゴミが溜まるようになり、外国人の入居者が夜中に複数名と騒ぐようになり、さらには、体に模様のある男の人が、単身女性が入居しているはずのワンルームタイプのお部屋に住むようになっていた、とのことです。

 

見かねた地主様は管理会社に対処してもらうように言いました。

すると、しばらくは落ち着いたのですが、今度は男女の怒鳴り声や女性の悲鳴が聞こえ、警察車両が大集合する騒ぎも起こったそうです。

 

幸い事件にはならずに済んだようですが、地主様はご近所の目もあるし、何とかしたいとご来店されました。

 

 

 

|一括借上げ型管理(サブリース)のメリット・デメリット

 

近年、一括借上げでアパート・マンションを建築してトラブルになる事例が報道されることもありますが、一括借上げには通常の管理委託では享受できないメリットもあります。

 

一括借上げ型管理のメリット

  • ・毎月安定した賃料収入が得られる(空室リスクがない)
  • ・転借人(入居者)と直接の契約関係が無いため、トラブルになっても当事者として関わる必要がない

など。

 

一括借上げ型管理のデメリット

  • ・管理委託契約より管理費が高い、賃料収入が割り引かれる
  • ・自ら入居時の審査ができず、入居者の質のコントロールができない

など。

 

上記の地主様はまさにデメリットの2番目の「入居者の質がコントロールできない」ことに不満を持つようになりました。

 

一括借上げをした会社はとにかく空室があると収益に影響するので、何が何でも満室を維持しようとします。

ところが、実際の入居者募集は管理会社の関連企業や他の仲介業者が行っていることがほとんどです。

また、入居申し込みに伴う審査も、書類審査のみ、または保証会社の審査のみの場合がほとんどかと思います。

 

つまり、入居者の人となりは考慮せず、賃料が払えるか否かに主眼を置くようになります。

 

こうなると、入居後のお部屋の利用状況や共用部の利用状況に影響が出てきます。

一括借上げをした管理会社もしっかりと管理は行っているとは思いますが、対処しきれなくなってくるのです。

 

具体的には、先程のように、「ゴミ置場に常にゴミが溜まっているような状態になる」「共用部に私物がおかれるようになり、雑然としてくる」「契約時の入居予定者以外の同居人がいつのまにか生活している」「夜中に騒ぎ、ご近所迷惑になる」などです。

 

一定の限度を超えてくると頻繁にパトカーが集まる物件になってしまうことも。

 

管理会社に地主様からクレームを言っても、「対処します」との答えは返ってくると思います。

しかし、管理会社としても、あまりに強く対処をしてしまうと、入居者が退去して収入減になってしまったり、トラブルに発展してしまうので、地主様が満足するような状態にはなかなか近づいていかない場合もあります。

 

こうなると地主様のご近所への体裁も悪くなってしまいます。

 

 

 

|一括借上げのデメリットは管理委託型で解決するのか

 

では、管理委託型に変更すれば解決するのかといえば、事はそう簡単ではありません。

 

管理委託型でも、その管理会社がどのように入居者の募集をして、どのように審査をしているのかが重要です。

 

この部分は一括借上げ型の管理でも、管理委託型の管理でも同じだと思います。

 

管理を任せる際は、その管理会社がどのように入居者の審査をしているのかを確認してみるといいかもしれません。

 

入居申込み時に面談をしながら、入居申し込みを受け付けるような管理会社だとなおのこと安心です。

 

なぜならば、入居者とのコミュニケーションが取れていれば、入居後の管理もスムーズになり、ソフト面でもより良い賃貸経営ができます。

 

賃貸管理の本質はいかに物件の価値を上げ、投資家たる家主様・地主様にメリットを享受できるかだと考えています。

 

 

by 大丸商事 長谷川浩一

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