分譲マンション(分譲賃貸)のトラブル
通常、分譲マンションは設備も良く快適な建物仕様になっていることが多いです。
また、築年数の経過したものであっても、管理組合がしっかりと運営されていて、管理会社もキッチリとお仕事をされているマンションは快適な建物となっています。
しかし、トラブルが入居者間で起きてしまうと収束させるのに時間が掛るのも、また分譲マンションの特徴かもしれません。
分譲賃貸は当事者がたくさん
今回の事例は分譲マンションを賃貸している物件での事例となります。
分譲マンションはお部屋が違えば所有者も異なります。
そして、関係する人たちも賃貸マンションの人数よりはるかに多いです。
まず、所有者である区分所有者がいます。
そして、マンション全体の管理は分譲マンションを管理を専門とする『マンション管理会社』が行います。
さらに、マンション全体に関わる当事者としては各戸の所有者でつくる『管理組合』があり、その管理組合には運営執行機関としての『理事会』があります。
この他に賃貸しているお部屋には『借主』がいて、場合によっては各所有者から依頼を受けて賃料の収納や契約管理をする『賃貸管理会社』が関わっているいる場合もあります。
当事者がたくさんいれば、何かトラブルが起きた場合、内容によっては非常にややこしい事になります。
物的トラブルはそんなに難しくない
物的トラブル、つまり配管や設備に関するトラブルは事前に予測可能なものが多く、区分所有法や管理規約または民法などを用いる事によって責任の所在がハッキリとします。
ですので、漏水が起きた場合、専有部分からのものなのか共用部分に属する部分からのものなのかで対応は変りますが、対応しなければならない人はハッキリと決まっています。
また、事と次第では保険対象になっていたりもするので費用負担も少ない、もしくはゼロとなり、当事者の動きもスムーズです。
しかし管理組合の運営がうまくいっていなかったり、管理会社が入っていない場合は対処までに時間が過分にかかることもあります。
「分譲マンションは管理を買え」と言われるのはのいざという時の事を考えてです。
人的トラブルは難しい
「人的トラブルは難しい」はどのような事にも当てはまるかと思いますが、分譲マンションにおける人的トラブルの対処が難しい原因は先述したように当事者が多い事にあります。
繰り返しになりますが、分譲マンションを区分所有者が賃貸している場合、ここに賃借人が加わります。
例えば隣り合ったお部屋でトラブルが起きた場合を想定してみましょう。
それぞれのお部屋には賃借人がいて、さらにどちらにも賃貸管理会社が入っていたとすると、これだけでトラブル対処に関わる当事者は6人になります。
さらに管理組合を代表する理事会やマンション全体の管理会社が加わると8〜9人がトラブル解決に向けて動き出す可能性もあります。
常識で考えれば「三人寄れば文殊の知恵」ではないですが、人数が多くなるので名案が出てスムーズな解決ができそうに思います。
しかしながら、各当事者にはそれぞれの事情があるのでトラブル解決に向けて積極的な人もいれば消極的な人もいます。
そして最大の問題が、誰が主導して事の解決に向けて動いていくのかです。
マンション全体の管理会社が率先して引き受けてくれれば良いのですが、このような人的トラブルの解決はマンション管理会社にとって本来業務ではありません。
特に賃借人同士のトラブルとなればさらに腰は重くなります。
では管理組合を代表する理事会かといえば、トラブル内容によっては管理組合も積極的に動きが取りづらい場合もあります。
結局は各区分所有者が個々に解決に当たるしかない場合もあります。
当社にて賃料収納業務を行なっている分譲賃貸も、入居者間トラブルが発覚しました。
現在進行形なので詳細は避けますが、発覚して時間が経っておらず初動対応が終わったばかりといった感じです。
上記のような事からどのような方向になるのか不透明な部分がありますし、正直なところ長引く予感がします。
まぁ、今回はどちらかというと被害者に近い形なので、入居者の平穏な生活の為にできることをしっかりとやっていきたいと思います。
by 大丸商事 長谷川浩一
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